人見知りの人などは、どのようなタイミングで会話のきっかけを作ればいいのかわからず、ついつい相手から話しかけられるのを待つことになってしまいます。特に初対面の人が多い場では、その消極的な態度が仇となり、会話に参加できず、とてもつまらない時間を過ごすことになり、後悔することも多々あります。そうならないためにも会話のきっかけ作りのコツを知り、スムーズに話を弾ませることができるようになります。

きっかけを作るコツですが、まずは話しかけたい相手との共通の話題、もしくは身近な話題を探すことが大切です。

例えば、何らかの会議などで隣の人に話しかけるという場合、会議の内容について話をしたり、会議の段取りがうまくいかなくてどうにかしてほしいといった愚痴のようなものできっかけを作っていくことができます。その後に、どこから来たのかとか、参加している理由などを題材にして話を進めていけば、スムーズに会話をすることができるようになります。

次に、相手の身に着けている物から糸口をつかむというやり方です。その腕時計、ちょっと見せてくださいとか、その手帳おしゃれですねなど、持ち物を褒めておけば相手は悪い気がしません。自分も欲しかったんですよ、どこで買いましたかなどと二の矢を放てば、それに応じてくれる可能性は高いです。その後に別の話題を切り出せば、その流れで話のやり取りを続けていくことは可能です。何を話していいかわからないから話しかけないという人が多いですが、相手への興味、観察をし、糸口を見つけることが求められます。

同じ組織にいる場合であれば、共通点を見出すことも会話のきっかけになります。共通の知人を見つけ、あの人はどうですかとか、優しいですよねみたいな話題から、その人に関するやり取りをし、別の話題に切り替えれば不自然さはありません。いずれにしても、その話題だけでずっと話を進めなければならないということはなく、あくまで糸口であり、これらのやり口を組み合わせていき、成立させていくというのでも問題ありません。

これらのことはその場で用意することが可能であると同時に事前に準備をすることもできます。会社に入り、初めての飲み会があったという場合であれば、会社に関することや共通の同僚の話題などを事前に考えておけば困ることはありません。また、前から気になっていたことをぶつけるというのもおすすめです。昼休みはどこで食べてるんですかというのでも話は膨らみます。その際に本当に自分が思っていることをぶつけると、言葉に説得力が生まれ、本当に聞きたがっているんだなというのが伝わります。

一番避けたいのは、何でもかんでも話しかけようとする行為です。

とにかく話しかけて自分のことを知ってほしいというような態度は相手を硬化させてしまい、話が続かなくなる原因となってしまいます。相手に興味を持てば、持ち物に目が行き、これはどこで買ったんだろう、おしゃれでうらやましいなどの感情が芽生え、それにまつわる質問などをすることができ、糸口をつかむことにつながります。そして、その様子は周囲も見ていないようで実は見ているため、ほかの人から話しかけられやすいようにするためにも、キャッチボールは心がけないといけません。

一方、今の状況を会話のきっかけにすることは、どの場面においても有効です。

日本酒ばっかり飲んでいる人がいれば日本酒は好きなのかと尋ね、なんでそんなに日本酒が好きなんですか、酔わないように何かしているんですか、日本酒に合うおつまみとかあるんですかと聞いていけば、それだけで成立します。もちろん、相手を質問攻めにしてしまうと面倒に思われてしまいますが、自分の情報を出しながら、それでいて相手の情報を聞き出すということさえ心がければ、キャッチボールはできるようになります。

ビジネスの場面でも初対面の場面はとても多く、営業マンは毎日のようにそのような状況を迎えています。この場合は売り込みをしたい商品の説明などを前提にし、今の状況を中心にやり取りしていけば問題ありません。その際、賛否両論のありそうな話題はせず、ありきたりなこと、誰もが共感しそうなことなどを話題にしていくだけで十分です。飲み会などと違い、パーソナリティの部分はそこまで重視されておらず、ビジネスパートナーとしてどうかというところが問われるため、信頼されるかどうかを中心に考える必要があります。

飲み会に参加することすら面倒という人が増えていますが、それだけ見知らぬ人と話をするのはストレスになります。しかし、今後出会うであろう結婚相手、恋人、かけがえのない親友、恩師、先輩後輩も最初は初対面です。見知らぬ人と思わず、もしかしたら自分のことでお世話になるかもしれないと考えを改め、興味を持つようにすれば、ストレスに感じるということは軽減されます。楽な感じで考えれば、無意識にやり取りは活発になっていくものです。