企業経営とか、団体運営とかで、トップに立つ人の心理はある程度共通しています。良いとか悪いとかは別としても、なるほど使う人の心理とはそういうものかということを承知しておかないと、物事を首尾よく進めることができないので、社会人としては、そのことを念頭に置いて発言したり、行動したりする必要があるということになります。

なるほど使う人の心理1:孤独である

まず第一は、孤独であるということがあります。最後の責任は自分が取らなければならないという気持ちは少なからずありますから、そこからしても誰も代わってくれないということが常に頭の中にあります。となると、最終的な判断は自分一人で行うということとなり、途中で相談したり、提言を求めたり、意見交換などもしますが、それらは全て参考にするだけで、結論は自分一人で出すということに変りません。

こうしたことから言えることは、誰をも心から信用できないということになりがちです。もちろん、例外的にそうでない人もいますが、多くのトップはそうなってしまいます。創業者トップもそうですし、サラリーマンから出世してトップになった場合でも同じです。

したがって、サポートする側としては、信用してもらえるような発言や行動が重要で、しかもトップの気持ちを察してということになります。ここが実は難しいところですが、その企業や団体のために、どんなに良い施策やアイディアを考えつき、それが将来のためになるものであっても、また経営上運営上間違いのないものであても、持ち上げ方次第では、トップが受け入れるものとはならないで、没になってしまうということです。

だから、本当に実現しなくてはならない施策や戦略に関しては、その内容の正しさや良さをきちんと説明することに加えて、会社のためであり団体のためであるということを強調する際に、暗に当該トップのためでもあるということが伝わる工夫が必要ということになるわけです。

なるほど使う人の心理2:自己保身が強い

第二に、自分の地位をできるだけ長く守りたいという心理が常に働いているということです。これは古今東西の歴史が証明するところでもあり、一度権力を握った人に共通しています。

このことから、生まれてくるのは、自分の地位を危うくする人物や物事は極力排除するということになります。特に、人物については、ナンバー2とかナンバー3に対しては、信用し、頼りにしながら、心は許さないというようなところが出てきます。だから、場合によるとナンバー2とナンバー3を競合させてみるというようなことも行います。その他でも、スパイもどきの行動をさせる者なども用意したりもします。

悪い情報や出来事には目くじらを立てて嫌いますが、それも地位保全ということが脅かされる危険性が高いと、その情報や出来事に対する対策がまずやるべきことであるにもかかわらず、誰に責任があるかということを自分以外の人に求めるというような行動に走ります。

このようなことから派生することは、日常の行動にも表れます。

社外の名士が集まる団体や経済活動の団体など、自分の知名度を向上させることに熱心に取り組みます。それは社会的な地位を向上させることによって、その企業や団体で疎かにできないということに結びつけているのです。様々なパーティや講演会、懇親会に足しげく通い、多くの人と名刺交換し、知人を増やし、人脈形成(本当の意味での人脈にはならないのですが)に奔走するのも、根っこは同じということなのです。

社内でも様々な懐柔策も行います。物分かりが良い人とか、人間性が良い人というように思われたいということがあるからで、外出した帰りには、お土産などをこまめに買って帰り、職場に提供したりします。時には、若い人を誘っての飲み会で慰安したり、ポケットマネーを寄付をしたりもします。もちろん、淋しさも日常感じているところですから、それを紛らわしたいという気持ちも働いているので、全てが嫌らしい動機からというわけではないのですが。

はっきりしているのは、自分の傷になることは極端に嫌うということです。明らかに自分のせいでの失敗や落ち度があったとしても、まともには認めようとはしません。時を稼ぎ、うやむやになることを狙います。どうしようもなくなれば、止むを得ず認めざるを得なくなるのですが、出来るだけ自分のせいや落ち度という点が少なく見えるような働きかけや記録にしようと懸命になります。

そして、たとえば報酬カットというような処分を自らが決定したとしても、そのことを今度は利用して、自分のPRに結ぶ付けようとします。いわゆる、転んでもただでは起きないということを行います。

なるほど使う人の心理を理解し、話をすることが大切

ということで、使う人、特にトップの多くは自己保身が行動の基本にあるということなのです。前述したようにすべてではないのですが、多くの人がそうであるということは言えますから、こういう人に仕えている間は、そのことを承知した言動を取る必要があります。

その上で、除外できるチャンスがあれば除外し、場面が変ったときに別の言動にするというのが、現実的な知恵ということになります。