声がよく通る人の特徴は、周囲に雑音が多くても聞き取りやすく、距離が離れていても内容が分かることです。また、耳にすんなりと入りますし、脳が引っかかりを覚えませんから、無理なく集中して聞き取れる点が優れています。

ベテランのアナウンサーを思い浮かべれば、声がよく通るという意味が想像可能ですし、通らない人との違いが理解出来るようになります。

 

一方で声が通らない人は、聞き取りにくく何度も聞き返したり、内容が耳に自然と入らないので、相手は集中力が求められたり疲れてしまうのが問題です。時にはモゴモゴと声がこもりますし、雑音が多い場所では埋もれてしまうので、重要な内容を聞き取る場合に困ってしまいます。

つまり、声がよく通る人にはストレスがなく、どのような環境下でも、ほぼ聞き返すことなく聞き取れるといえるでしょう。

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声がよく通る人と声の通らない人の違い

発声に使う筋肉の柔軟性

違いの理由は幾つかありますが、一つは発声に使う筋肉の硬さで、柔軟に使えているかどうかが主な原因です。

声がよく通る人は表情筋の使い方が上手く、力強くハッキリと発声出来るので、誰にとっても聞き取りやすい声となります。更に、声の傾向は基本的に明るく、お腹から喉を通って発声されたとイメージ出来る程、音の塊がちゃんと耳に届きます。

しかし、柔軟な筋肉は繊細な発声も行えるので、決して鼓膜に痛く響く大声というわけではありません。

むしろ、無闇に大声を出さなくてもハッキリと相手に届く、これが魅力的な発声が行える人の特徴です。声が通らない人は、逆に声がとても小さく、発音が不明瞭なので内容が聞き取りにくくなります。本人は上手く伝えられているつもりでも、実は相手が適当に相槌を打っていたり、何度も聞き返すことが当たり前になっている場合があります。

通る声は、口から出る前に鼻の奥で音が響き、一度大きくなってから言葉として出てきます。

反対に、通らない声は喉からストレートに出てくるので、音の線が細く明瞭感やメリハリがありません。小さな声と相まって、聞き取りにくさの悪循環に陥りますから、一回で相手の耳に届けて聞き返されたくないのであれば、声を押し出すようにハッキリと発音することをおすすめします。

声の音程の違い

声が通る人、そして通らない人の二つ目の違いとしては、声の音程の違いを挙げることが可能です。

低い声は、言葉の明瞭さを左右する中音域を覆い隠すので、相手にはこもって聞こえたり全く聞き取れない事態が発生します。声がよく通ると評価される人は、言葉のニュアンスに関わる高音域がよく出ているので、音がこもらずハッキリと伝わります。

試してみると分かりますが、意識的に高い声で話すようにすると、発声する本人も内容が頭に残りやすくなります。

滑舌が悪いと指摘される場合は、無意識の内に人前で話すことが苦手になっていたり、ちゃんと伝わるのかという疑問によって、ボソボソと暗い小さな声で話す傾向になりがちです。

声の通らない人の改善方法

滑舌は意識すると改善しますし、トレーニングによって変わりますから、諦めずに自助努力を始めてみることが大切です。

まずは、発音が苦手な言葉をリストアップして、どの音が上手く発音出来ていないかを調べます。

次に、会話の中で苦手な言葉が出てきた時は、意識的に話のペースを少し落とし、若干強調気味に発音すると相手の耳によく届くでしょう。

声がよく通る人には余裕がありますし、まくし立てるように話さなくても落ち着いて相手に伝えられる、そういった自信を持っています。

声は声帯や喉の形、鼻腔内での響き方で決まるので、生まれ持った特徴が影響しているのは事実です。

ただ、新しい言葉を憶えることが出来たり、訛の強い人でも標準語が話せるように、トレーニング次第で改善出来る余地は十分にあります。

生まれ持った部分よりも、改善の余地の方が大きい可能性もありますから、声が通らないからと全く諦めるのは早計です。

声の小さな人は、音程が低ければ意識的に高めることで、相手が聞き返す回数は減り、自然と自信が身について声量が増す結果に結び付きます。

早口で内容が耳に入らない、そう言われたり自覚している場合は、落ち着きを意識しながら、ゆっくりとしたペースで話をすると効果的です。

イメージとしては、耳の遠い人に一音ずつ伝える感覚で、ハッキリとゆっくりを心掛けるのがポイントです。

ただし、話す相手に応じてあからさまに発音方法を変えれば、相手は失礼だと感じますから、最初は実践を行いながらさじ加減を理解することが肝心です。

自らの声を客観的に聞いたことがない人は、普段の会話をボイスレコーダーで録ってみるとよいでしょう。

ポイントは、普段の話し方を客観的に把握することなので、長時間録音出来るボイスレコーダーをポケットに入れておくのが理想的です。

録音を意識してしまうと、人は意図しなくても声や発音方法を変えてしまいますから、注意深く自然体の話し方を録音する必要があります。

後はこれを声がよく通る人と比べたり、話し方の要点を抑えて似せるようにすると、声がよく通る人に限りなく近い発声法がマスター出来ます。

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