プレゼンの場は、話の上手さが明確に現れるので、苦手とする人は決して少なくないと考えられます。上手な人の特徴は、話す内容が簡潔かつスムーズで、流れるように進行する点に現れます。
また、テンポが良く躓きや引っ掛かりがありませんから、聞く人の頭には抵抗感なく入るといえるでしょう。
一方でえー、あのー等と言葉が詰まったり、短時間沈黙する回数が多くテンポが良くない人には、幾つかの原因と対処法があります。
えー、あるいはあのーという言葉は、プレゼンにおいて、相手の理解を妨げる要因となる要素です。
しかし、出てしまうものは仕方がありませんから、まずは原因を突き止めて対処法を実践することをおすすめします。
言葉を探しているパターン
一つめの原因は、考える時に間を持たせる為に、えーあのーと言うのが癖になっているパターンです。
誰もが話し上手とは限りませんし、人は興味のない事柄では脳の働きが低下するので、言葉が詰まって咄嗟に出ないことがあるので自然です。
ただ、話は一度始めたら完遂する必要がありますから、最後まで集中してテンポ良く、リズミカルに聞く人に伝えられるのが理想的です。
えー、と度々発するのには、言葉が出てくるまで間を伸ばす意味があるので、言葉が出るように頭を使うと改善します。
話の途中であのー、等と言ってしまうパターンには、話の流れが途切れてしまい次が見つからない場合と、表現に適した単語が思い浮かばないの2つがあります。
話の次が見つからない方の対処法
前者は、プレゼン前にリハーサルをしたり、内容を頭に叩き込んで話の流れを把握しておくことが、原因を取り除く為の効果的な対処法です。
可能であれば、上手い人にリハーサルを見てもらい、問題点のリストアップや駄目出しを受けるのも上達に繋がります。
ただし、最初は次々と問題点を挙げられる可能性があるので、挫折しないように心構えを持つことが大切です。
単語が思い浮かばない方の対処法
えー、あのーの原因が後者の場合は、普段から読書をしたり、語彙力を磨いて表現力の引き出しを増やすのがベストです。
様々な人が書いた本を読むだけと、対処法はとても簡単ですが、スマートフォンで気軽に文書が読める時代においては、古典的でシンプルな方が頭のトレーニングに結び付きます。
雰囲気を苦手としているパターン
意外な原因としては、話す相手の立場や年齢層が幅広く定まらない、プレゼン特有の雰囲気を苦手としているパターンもあります。
質問や回答の機会も設けられますが、通常は一通り話が終わった後に行われるので、話を終えるまで反応が感じられず、それが不安の種となってもおかしくありません。
雰囲気を苦手な方の対処法
このパターンに嵌っている時は、耳を傾けている人達の存在を一先ず脇に置き、居ないものと考え独り言に徹するのが有効です。
勿論、独り言といってもプレゼンには変わりないので、話す本人が内容を理解出来るように、自らに言い聞かせるつもりを心掛けるのが成功のコツです。
話の良し悪しは、全てを終えれば後で分かりますし、内容が分かりやすく良ければ自然と褒めてもらえるので、本番中はどう見られても構わないと吹っ切ることがポイントです。
普段から口癖で間を持たせてしまうパターン
えー、あのーを言ってしまう癖、実はこれ自体が悪循環の引き金となっていることもあります。
例えば、肌が痒い時に掻くと落ち着きますが、傷口は悪化して新たな痒みを引き起こします。
口癖もそれと同じように、言っている間は間が持つので落ち着きますが、繰り返すと今度は言わずに居られなくなるものです。悪循環を断ち切る為には、癖を意識的に止めるのが現実的な対処法で、ついつい口癖で間を持たせてしまう人に最適です。
口癖が使えない状況で、次の言葉が出なければ沈黙が発生してしまいますから、間を持たせることは益々難しくなるでしょう。所が、焦りは逆に脳の働きを活性化するので、初めは苦手でも段々と慣れて、次第に難しさを克服することが出来るようになります。
雰囲気が苦手な方の対処法
この対処法はショック療法的ですが、リハーサルや表現力のトレーニングも同時に行えば、適度な緊張感の中で話術を身に付ける結果が得られます。
口癖は耳障りなので、人によっては沈黙が却って心地良く、それが話のメリハリを付けるスパイスになることもあります。
沈黙イコール悪という考え方は、ある種の固定観念的な誤解ですから、沈黙しても良いと考えることが出来れば、気持ちに余裕を持って本番を迎えることが可能となるでしょう。
まとめ
一流企業でカリスマ性のある経営者は、総じて人を惹き付ける話が上手く、冗談を交えながら楽しく話をするのが印象的です。
渇望の対象として見たり、生まれ持った才能だからと諦めがちですが、表に出ないだけでカリスマ経営者も裏では努力をしているはずです。
何より、話が上手い人でも沈黙を発生させていることはあるので、苦手な人との差は紙一重であって、努力の差やほんの少しの余裕が結果を変えているといえます。
そう思えば、気持ちは楽になってプレゼンに対する見方が変わりますから、話の得意な人がペースに引き込むつもりで、場を自らのものにしようとすることが上達への近道です。