斜め上をいく発想かもしれませんが、話し方に自信がない方は落語を練習してみては、どうでしょうか?

落語なんて関係ない、落語は古いと思われるかもしれませんが、落語は現代にも通じるような、深いテーマを持った話がほとんどです。なにより、落語家さんの話芸は、『人を引き付ける話し方』としては一級品です。

先哲である能の世阿弥も、物事の上達の秘訣は「物数を極め、工夫を凝らす」と説いていますから、名人落語家の話しぶりを勉強し、実践することで、話術の上達につなげてみてくださいね。

落語の名人から学べること

テンポ・間

ではまずテンポですが、会話で大事なことは、いつもいつも一本調子で話さないということになります。落語家の名人は、ゆっくり話すくだり、少したたみかけて話すくだりなどを使い分けています。これは聞いている人たちに分かりやすくするためであったり、のめり込んでもらうための仕掛けということができます。

また、一本調子は話に飽きが来ることになるので、それを防ぐ効果も計算しているというわけです。つまり絶妙なテンポというものがあるわけです。

抑揚

同時に、声の大きさにも変化をつけることが大事です。少し小声で話して、聞き手の関心を集める、強調したいときは声を大きくして話すという具合です。山場などは大きなゼスチャーをしながら、身体全体を使って声を張り上げテンポも早くするというような盛り上げ方をします。

大勢のお客さんを相手にしていますから、少しオーバーなゼスチャーや声の大きさということになりますが、一対一の会話であっても、こうしたことは大事なポイントですから、大きさやオーバーなということを少しセーブするとしても、応用するととても分かりやすい話ということになります。

聞き手への心配り

そして、さらに勉強したいのは、聞き手への心配りということになります。聞いている人の気持ちとか状態を意識して話すということです。専門用語では聴衆分析と言いますが、とても大事なことです。会場全体を見渡し、聞いている人たち全員に、自分にも関心を持って話しかけてくれているという感じを持ってもらうこともポイントになります。

そして、聞いている人たちの理解度をキャッチしながら、場合によれば繰り返したり、丁寧に説明したりします。テンポを変えたり、声の大きさを変えたりするのも、この心配りということからも行います。

笑いが大きく反応があれば良しとして、少なければ話の持って生き方を工夫し直すということも行われます。一部の方の反応が悪ければ、そちらの人に重点的なメッセージを送るというような心配りもします。

このことも、一対大勢の会話で欠かすことのできないことのできないものですが、一対一の会話でも応用ができることとなります。

ということで、落語の名人からは学ぶことが多いのですが、表に出てこない点でも学ぶことがあります。

話す中身の充実

それは、話す中身の充実ということです。話の内容を普段から練りに練っているという事実です。思い付きだけで話すのではなくて、しっかりと事前準備を行い、何度も練習に練習を重ね、直すところは直して完成させたものを舞台で話しているのです。

一対一の会話では、そこまでの必要性はないというものの、本当のコミュニケーションを図るには、話す内容を吟味し、ストーリーを考え、山場とか盛り上げ方も工夫することが大事になります。

学ぶところは際限なく広がっているというわけですね。

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まとめ

人とお話しするというのは、とても大切なことですが、難しいことも沢山あります。最近はコミュニケーションという言葉でひとくくりして、何かと言えば、コミュニケーション不足とか、コミュニケーションが大切だと多くの人が機会あるごとに口にしますが、そのこと自体もそんなに簡単なことではないのです。

コミュニケーションという言葉は、もともとはラテン語で「共通する何かを持つ」ということですから、たくさん話せばいいということでもなければ、しっかりと相手の話を聞くということだけでもありません。

お互いが共通するものを持つためにどうするかということがポイントであり、そのためにどう話すか、どう聞くかということですし、さらに言えば、それだけにとどまらないで、相手の目を見るとか、気持ちを察する、自分の精神状態も意識する、身振り手振りというゼスチャーをどのようにするかというようなことも加わってきます。

そのように、全体的な意思疎通を図るわけですが、それらのエッセンスを学べるのが落語です。練習は相手も要らず一人でもできるので、試してみるとよいでしょう。

追記

※噺家さんによって色が違いますので、初めて落語を聞こうと思った方は、初心者にも馴染みやすく聞きやすい落語家さんを入口にするとよいでしょう。

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